TOEICの点数が高い人でも英語が流暢に話せない人がいます。
逆にTOEICの点数が低い人が、ペラペラなこともあります。
TOEICで真の英語力が評価できているのでしょうか?
ひと昔前(2012年)のTOEICスコアと英語力の相関は以下のようでした。
PROFICIENCY SCALE
TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表
レベルA (860点以上):Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
レベルB (730点以上):どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている
レベルC (470点以上):日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
レベルD (220点以上):通常会話で最低限のコミュニケーションができる
レベルE:コミュニケーションができるまでに至っていない
しかし、最近少し修正されたようです。
TOEICスコアとできることの目安
TOEICスコア
900~990– 自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
– 英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。TOEICスコア
800~895– 英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
– 職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。TOEICスコア
700~795– 会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
– 自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。TOEICスコア
600~695– 自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
– ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。TOEICスコア
500~595– 電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
– 打ち解けた状況で、 “How are you?””Where do you live?” “How do you feel?” といった簡単な質問を理解できる。TOEICスコア
400~495– 看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる。 ※「TOEICスコアとできることの目安」は2011年1月の第160回TOEIC公開テストを受験した方を対象に実施したリサーチの結果を元にしています
最高レベルで比較してみると、
以前は、
【レベルA (860点以上)】Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
であったのに対し、
現在は、
【TOEICスコア900~990】自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
となっています。
TOEICで高得点をとっても、十分なコミュニケーション(特にスピーキングやライティング)ができない人が多いので、評価が変わってきたのだと思います。
就職試験の採用条件で、”TOEIC 900点以上”というのを見かけることがあります。
「900点以上あれば英語はペラペラだろうから、そういう人材を採用しよう」と、いまだにそういう考えの企業が多いのではないでしょうか。
はっきり言って、900点以上で英語ペラペラというのは幻想です。
採用側:
『海外進出プロジェクトが発足するから、海外出張・アメリカとの電話会議やメールが増大する。英語ペラペラ人材が必要だ。よっしゃ、TOEIC900点以上を採用するゾ!』
900点取得者:
『ビジネス文書、メール、簡単なホームページとかならスピーディに読めまっせ(書けないけど・・・)。あと、ゆっくり話してくれるなら大体聞き取れまっせ(まあ、返答はできないけど・・・)。』
というようなミスマッチが起きています。
これは両者にとって悲惨です。
おそらく、このようなミスマッチがたくさん起きた結果、TOEICスコアとできることの目安が修正されたのではないでしょうか。
もう一度、最新の目安を見てみましょう。
【TOEICスコア900~990】自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
です。
「読むのと聞くのは大丈夫ですよ」という表現になっており、アウトプット(スピーキングとライティング)については一切触れていません。
アウトプットをテストしない試験なので、当然と言えば当然です。
あとは、この考えが広く浸透すればミスマッチは少なくなると思います。
真の英語力を評価したければ、4技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)を測定できるテストでなくてはなりません。
スピーキングとライティングに特化した「TOEIC S&W Tests」を併せて受けるか、TOEFLや英語検定ならOKだと思います。
ちなみに、TOEICを知っている外国人はほとんどいません。受験者の大半は、日本人と韓国人で占めています。アメリカ大学・大学院を受験する際も、必要なのはTOEFLの点数であって、TOEICではありません。
「海外ではTOEICの知名度はほぼ無い」ということを知っておいた方が良いでしょう。
そんなTOEICですが、国内においては就職や昇進に使われる大事な試験です。
本サイトでも、私の経験に基づいた最短最速なTOEIC対策をご紹介しています。
ぜひ、ご参考下さい。TOEIC対策編